ロータスの華
この観の目的
ここまで分かってきた自分の思いや考えを俯瞰し、全体像としてとらえてみましょう
はじめに
キャリアプランを考える方法として、将来どうありたいかを考え、そこに向けた道筋を考えるという方法をとることが多いのですが、そもそも将来どうありたいかが浮かんでこないことがあります。特に長い先のことになればなるほど具体的にはなりづらく、なんとか考え出しても、現在の延長線上になってしまうことも少なくありません。現状に囚われる必要はないといわれても、その中に身を置いて考えているのですからなかなか難しいことといえるでしょう
また、「将来像」というものも、論理的に、あるいは筋道立てて考えれば浮かんでくるというものではありません。辻褄を合わせようとすればするほど現状に囚われてしまいます。どこかに創造的な、非線形的な要素が必要になります。そんなときには全体像をぼんやりと捉えて、イマジネーションが湧いてくるのを待ってみるのも1つの方法です
この観では、ここまでで得てきたさまざまな示唆、思いつきやひらめきを「蓮」(ロータス)の花はなびらに託し、これらを並べ、俯瞰していくことで、統合、昇華させていきます
進め方
1)ロータスの花びらシートから花びらを切り抜いたものを準備します
・それぞれによって必要な枚数は異なります
・足りないよりは余るくらいのほうがよいようです
2)花びら1枚に1つ、ここまでの観で気づいたことや分かったこと、思いついたことを書いていきます
・文字でも文章でも構いません(文章にする場合は、離れても見やすいように大きな文字にしておきます)
・絵や記号でも構いません
・一枚一枚に色をつけてもよいでしょう
・観を検討する中で浮かんできたことだけでなくても構いません。日頃思っていること、考えていること。あるいはこの観をしている中で思いついたことなども書いてみます
3)書いた花びらを、円を描くように並べます
・机の前に座って行う場合は、机の上に半円状に並べます。床に並べるときは、中央に座れるくらいのスペースをとり、自分の周りを取り囲むように並べます(注1)
・一重ではなく二重、三重にしても構いません
・その際、自分にとって大切なもの、自分のコアに近いものを内側へ並べてみるのもよいでしょう。また、どちらかというと外的な要素(他者からの見え方、呼ばれ方、住んでいるところなどなど)は外側に配するということも考えられます。もちろん、これは考え方の一つですから、敢えて分けないでおくというのも一つの方法です
・意味のあるグループごとに分けて塊をつくる方法(例えばKJ法のような)ではなく、円になるように心がけてください
4)心静かにながめます
・何らかの結論を急いで導き出す必要はありません
・何かを思いつく、心や頭の中に浮かんでくる(湧いてくる)、ひらめく‥‥のを待ってみます
・花びらの並び方を変えてみる、気になる花びらを手に取ってながめてみる、といったことも役に立ちます
・この時点で花びらを追加するのもよいでしょう
5)振り返りシートを作成します
・花びらに感じたこと、分かったことを書いておきます
・日付を記しておきます。あくまでもも現時点での気づきだからです
・振り返りの花びらも含めて、すべての花びらを最後にまとめておきます。日を変えて改めて花びらを広げてみるためです。ロータスは早朝に咲き、お昼には閉じてしまいますが、翌朝にはまた開いていきます。同様に、この観は何度か繰り返してみるのがよいでしょう
【注1】グループで実施しているときは3)の過程は次のように進めることもできます
・ここまでの観をグループで実施している場合は、他者からのフィードバックを花びらに書いてもらうことも有効です
・一枚の花びらに気がついたことを一つ書いてもらいます。何枚書いてもらっても構いませんが、その人がこれからのことを考える上で役に立つことを書くようにします。ここも文字や単語だけでなく、イメージを表す絵や色でもよいでしょう
・他のメンバーからの花びらがある場合は、床で実施します。この時、まず本人が自分の前に半円状に花びらを広げていきます
・次に1人ずつ順番に、他のメンバーの後ろ側(背中側)に花びらを置いていきます。半円状に静かに並べていきますが、置き方は自由です
・全員が他のメンバーの後に花びらを置き終えたら、座っている向きを変え、置かれたものをまず眺めます
・自分が作成したもの、他のメンバーからもらったものを、合わせて、改めて全円になるように並べていきます
資料
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開発者のひとこえ
(小野田)