四仏四菩薩
この観の目的
さまざまな観を通して分かってきた自分の思いや考えを踏まえ、これからなにをしていくかを考えていくための「素材」を得ることが目的です
はじめに
これからのことを考えようとしても、自分一人ではなんともしがたいことが出てくることは当然のことです。でも、多くの場合、それらは漠然とした不安に終わっていて、具体的にどんなことがあると助かるのかまでは思いが至らないことも少なくありません。なにせ未来のことなのですから、分からないことだらけです
そこで、自分はどんな支援を望んでいるのかを具体的にするというところから取り組んでみます。具体的にすることで、取り組むための手がかりが出てくるかもしれません。千里の道も一歩からといいますが、その一歩をどこにどうやって踏み出すのかを考えてみましょう
とはいえ、そもそも自分だけでは考えられない、というところが障害になっています。そこで、ここでは曼陀羅に登場する4人の如来と4人の菩薩の力を借りてみます。さまざまな力を持つこうしたお方にそれぞれ1つずつお願いするとしたら、どんなことをお願いしますか?
そのプロセスを通じて自分が望んでいること、そしてそれを実現するために必要な要素などを解きほぐしていきましょう
進め方
1)曼荼羅シートAを準備します
①中央の円の上半分に検討したいことを記入します
・実現したいこと
・解決したいこと
・何とかしたいと思っていること
・気になっていること
②周囲の4人の如来、4人の菩薩に望むことを1つずつ記入します
・中央に書いたことを実現、あるいは解決するために、あなたに力を貸してくれます。どんなことを頼みたいですか?
・教えて欲しいこと(たとえば方法や知識、スキルなど)は何でしょうか? あるいは代わりにやってほしいことはなんでしょうか?
・4人の如来、4人の菩薩の得意とする領域は次の通りです。
宝幢如来 (ほうとうにょらい) | 目標に向けて困難を打ち払う 目標に向かう気持ち |
開敷華王如来 (かいふけおうにょらい) | 目標が達成されている状況を示す 恐怖や苦悩を取り除く |
無量寿如来 (むりょうじゅにょらい) | 他者を支援する、他者を思いやる 習慣づける |
天鼓雷音如来 (てんくらいおんにょらい) | 突然閃く、霧が晴れるように分かる 真理を示す |
普賢菩薩 (ふげんぼさつ) | 日々の積み重ね、心がけ 母なる知恵、美しさ |
文殊菩薩 (もんじゅぼさつ) | 知恵を授ける、知恵を授かる 迷いを打ち砕く |
観音菩薩 (かんのんぼさつ) | 他者との関係が改善する その場に応じた行動、言動 |
弥勒菩薩 (みろくぼさつ) | 長期的に見通す 10年後20年後に現れる支援者 |
③もし、4人の如来、4人の菩薩が望みをかなえてくれたら、あなたはそのお礼に何ができそうでしょうか?
・きっと、あなたも何かに取り組むことを望んでいらっしゃると思います。上の欄に書いたことに対して、何かすぐに取り組めそうなことは何でしょうか?
・直接関係することでなくても構いません
・中央に記載してみてください
2)時間があるときは前項③の検討に入る前に曼荼羅シートBを準備します
①中央の曼荼羅にシートAの内容を書き写します
②4人の如来、4人の菩薩は願いを叶えてくれるために、具体的にどんな活動をなさるでしょうか?
・それぞれの如来、菩薩がなさりそうなことを8つ想像して周囲の円の中に記入してみましょう
・ここは文字ではなく、絵でも構いません
・グループで実施することもできます。このときは、グループのメンバーの力を借りて、如来や菩薩の活動を想像してみましょう
③4人の如来、4人の菩薩がなさったことの中から、自分でもできそうなことをシートAの中央の円の下に書いておきます。
3)振り返りシートを作成します
・観を通じで分かったこと、気づいたことをまとめておきましょう
・すぐにでも取りかかれそうなことについて、もし可能であれば、明日にもできそうなことを書いておきましょう
資料
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開発者のひとこえ
いろいろと自分のことを分析し、考えてみて、将来像をある程度浮かべてみたときに、目の前にはだかるのが「で、それってどうやってやればいいんだろう」とか「とはいうものの、自分にできるのだろうか」というところではないでしょうか? 実際にやろうとすると方法論が分からなくて、「そもそも、それが分かっていたらやっているよ。分からないから困っているんじゃないか」と堂々巡りに陥ることもあったりはしませんか?
できないのは、実際にできないのではなく、できそうにないと思って最初から可能性を除外してしまっているからというのはよくある指摘です。思い込んでいるともいえましょうか。そこで、「できるかどうか」(ついでにいうと、それをだれがやるのかということも)はいったん脇に置いておいて、まずは方法論を考えてみようというのがこの観の目的です。とはいえ、もともとできそうにないなぁという思い込みを持っているのですから発想はなかなか湧いてきません。そこで8人の菩薩と如来の力を借りてみるわけです。この方々ならきっとできます。なのでできるという前提で考えられます。そうしていろいろと考えたところで、凡人である私たちには何ができるのか、1つでもいいから考えて取り組んでみようというのがこの観の考え方です
できないだろうという思い込みからくる選択肢の狭さを補うためにはほかの人の力も借りたいところです。そこで、この観の後半ではグループワークでほかの人に菩薩、如来になっていただいて、こういうやり方もあるよというのをアドバイスしてもらうようにしています。これも如来や菩薩になった人自身にはできないかもしれないけれど、そこはなりきっていただくことでさまざまな発想をしてもらおうとしています。なりきるにあたっては若干のゲーム性(楽しさ)があった方がいいので、カードで割り振るようにしています。意外に、カードで割り振られた役になりきってみると、普段は思わないような方法を思いつくことがあります。そのことが、なりきっている人自身の可能性の幅を拡げることにもなるようです
「できるかどうかは後回しにしてまずは方法論を挙げる」のがコツのようです(小野田)